「あなたがここに転生してきた理由」を読んで
Nov 15, 2021タイトル: あなたがここに転生してきた理由
著者: 坂東忠信
出版日:令年2年?月?日
出版社:青林堂
リンク先:アマゾン日本
要約
元刑事が死後の世界を語る。著者曰く「あの世は天国しかない地獄」であると述べている。18年間警視庁に勤務して様々な殺人事件・事故を取り扱った著者が辿り着いた独自の死後の世界観。著者は、「死後も自意識が存在する」と言う大前提から彼の死生観を示している。
印象に残った点
まず第一に、私にとって非常に印象に残った箇所は、11歳のロシア人の女の子が義理の父親と森に散歩に出かけて日熊に襲われてしまったと言う悲劇の事故です。義理の父親はヒグマに襲われて即死しましたが、その少女は不幸にもヒグマのお母さんと3匹の子供のヒグマたち達の餌となり、即死ではなく生きたままその日熊たちに肉体を食いちぎられ、彼らの生命の糧として食べられながらその短い生涯を悲劇的に遂げたお話がありました。
私にとっては、もうこのストーリーだけで十分なくらいのインパクトがあり何日もそのことについて思考を巡らされていたくらいです。というのも、ここしばらく私はこういうことを考えていたからです。人間にとっての1番悲劇的な死に方とはまさに野生動物の餌食となる“生きながらにして食べられてしまう”と言う恐怖的な命の途絶え方なのかなと。まさに完璧なタイミングでこの本からその答えを得ることができました。この少女のストーリーは、「死ぬ痛み」についてのセクションに記述されています。
刑事として様々な事件や事故に直面した著者が、人間が死に至るときに果たしてどのような痛みがあるのか、又そのような状況下で意識はどこにあるのかという疑問について言及しているセクションです。
その少女は死に至るまでに3度彼女の母親の携帯に電話をしていました。3度目の電話では、母親に対して彼女は、「もう痛みがないから心配しないでね。そしてどうもありがとう。愛しているわ。」と言う最後の言葉を残して電話を切ったのでした。その話の最中にも彼女はまさにヒグマたちに肉体を食いちぎられて食べられている瞬間だったのです。この事故は近年の出来事で2011年に起きた出来事でした。
興味深い点
彼が理解する死後の自意識とは、私たちがこの現世で体験そして学んだ事を基礎とした私たちの自意識がそのままあの世でも存在すると言うもの。そして、その意識が理解する範囲でのみしかあの世での理解もないと言う考えです。
私の個人的な意見とは相反する考えですが、元刑事の現場体験から得た気づきには興味深い点があると思いました。
その他に著者は幽霊や亡霊等についても言及しています。非常に興味深い点が多くあります。望み通りにしかいかないあの世や祟り神の世界の話は非常に面白く、その他にも多くの教訓が得られるセクションから構成されています。
さらに同本のタイトルが明示するように、私たちは「転生を繰り返している」という大前提から著者は出発しています。私自身も個人的に前世はあるのだろうなと子供時代から薄々そのように感じていました。また、催眠療法のポピュラーな療法として知られる前世療法のセッションを2018年から行っています。
私にとってのメッセージ
私が個人的にこの本から得たメッセージは以下の通りです。私たちの人生には、必ずしも辛い時期、悲しい時期、苦しい時期、そしてその反対の楽しい時期あるいは退屈な時期など様々な時期が訪れます。辛い時期があるからこそ楽しい時期も心の底から味わえることが可能となります。私たちの多くは、無意識に家族や職場そして社会からの期待に応えようと一生懸命頑張ってばかりではないでしょうか。そして、何十年と人生の歳を重ねていくうちにいつの日か幼少期の純粋な子供心を忘れがちになってしまう。そこに度合いの違いはあっても、それは誰にでも起こる心理現象だと思います。昨今のコロナ禍の影響でさらに社会的なストレスが募る中、それでも何とか、いつまでも純粋な子供心を大切に守ってあげられると良いだろうなと、最後のページをめくりました。
パストライフリグレッションに興味がある方は以下のリンクから詳細をどうぞ。